2003年8月から埼玉県小川町で議員をしています。(2期目です)所属は日本共産党です。活動日誌をごらん下さい。ホームページも合わせてご覧下さい。


by y_taeko

歯がゆい思いです

 障害者自立支援法案については、自立支援ではなく自立阻害法であるということを

 ■これまで障害種別ごとだった身体、知的、精神関係の障害者福祉サービスを一元化し提供する
 ■利用料は「応能負担」から「定率(応益)負担」へ(原則、利用料の一割を負担することに)
 ■福祉施設を大きく「日中活動の場」(生活療護・訓練施設など)と「住まいの場」(グループホーム、  施設入所など)に分けて、それぞれの機能を再編成
 ■公平なサービス利用のための手続きや基準の透明化(ケアマネジャーや審査会の制度化など)
 ■公費負担医療制度を改悪

しんぶん赤旗の記事で読んで知識としてありましたが、9日付のしんぶん赤旗の障害を持つ息子さんのお母さんの切実な声を読み改めてひどい法案だと思いました。遅ればせながらもう少し詳しく知りたいと調べていくうちに、一般的には「32条」と呼ばれている、精神保健福祉法の第32条『通院医療費公費負担制度』と「育成医療制度」も廃止されようとしていることを知りました。

『32条』は、主に精神疾患者の治療費と薬代の自己負担額を、通常30%のところを5%にしてくれる制度です。 精神疾患は、長期に渡っての治療が必要なケースが多くあります。
患者にとってこの制度は非常に 大事なものであり、経済的不安の解消にも繋がっており、精神疾患者にとっては『命綱』の様なものです。

育成医療とは、18歳未満で体に障害や病気があり、放置すると将来体に障害が残る可能性があるが、手術等の治療で障害の改善が期待出来る子供に対して、医療費の一部が公費で負担される制度です。例をあげますと
<視覚障害>
斜視、眼瞼欠損、眼瞼外反症、眼球癒着、瞳孔閉鎖症、牛眼、眼瞼内反症、兎眼症、眼瞼下垂症、角膜白斑、先天性白内障、網膜硝子体出血
<肢体不自由>
斜頚、先天性股関節脱臼、拘縮、切断及び離断、クル病、骨髄炎、各種関節炎、大腿四頭筋拘縮症、内外反足、顔面奇形、O脚、分娩麻痺、変形治癒骨折、不良肢位強直、弾撥膝、ペルテス病、先天性側彎症、病的脱臼
<聴覚、平衡機能障害>
外耳奇形、感音系難聴、中耳奇形、慢性中耳炎
<音声、言語、そしゃく機能障害>
喉頭腫瘍、口蓋裂、唇顎口蓋裂
<心臓障害:手術をするものに限る>
心室中隔欠損症、フアロー四微症、心内膜床欠損症、肺動脈狭窄症、心房中隔欠損症、動脈管開存症、大血管転位症
<腎臓機能障害:人工透析療法及び腎移植手術を行うものに限る>
慢性腎不全
<呼吸器・ぼうこう・直腸・小腸機能障害及びその他内臓障害:手術する物に限る>
食道閉鎖症、巨大結腸症、胆道閉鎖症、腸回転異常症、巨大臍帯ヘルニア、腸閉鎖症、肛門閉鎖症、尿道上・下裂、横隔膜ヘルニア、脳炎・硬膜下水腫、膀胱腫瘍、直腸腫瘍
<ヒト免疫不全ウィルスによる免疫の機能障害>
ヒト免疫不全ウィルス(HIV)病

どの病気も治療には時間とお金のかかるものです。それらの制度が「応益負担」の名のもとに廃止あるいは縮小されようとしています。「小さな政府」というのはこういうことなのです。

構造改革といえば、国民は、高級官僚の天下りをなくしたり、公務員を減らしたり、道路公団や特定公社の税金の無駄遣いをなくすことが「改革」と思っているようですが、福祉をバッサリと切りすてる、このことが今までもそしてこれからも小泉首相がやろうとしている「改革」なんだということがどうしてわかってもらえないのか歯がゆい思いです。

午後ひなた荘に相談員で行きました。
夕方、たえこ通信を持って読者の方を訪ねました。
老夫婦、お二人で暮らしているAさん。ひと月33000円の年金暮らしです。
オリンピックの年から働きづめで子ども4人を立派に独立させ、わずかに残った貯金を取り崩しながらの生活だそうです。「畑があるから野菜は買わなくても済むけれど都会の人は大変だ。とても暮らしていけないよ。最近は腰も膝も痛くて注射をしてもらってる。お金がかかるねえ。畑にでるのもしんどくなるよ」伺ったのは5時過ぎだったのですが、起きていてもたずねてくる人も少なくなったし、お風呂に入ってもう寝る支度だとか。そんな生活の中で中越地震の時には1万円もの大金を「大変だねえ」とカンパしてくださいました。
こういう方たちを大切にしない政治は許せないと改めて思いました。
by y_taeko | 2005-10-11 23:08 | 議員活動