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昨日行われた「憲法と私たちの暮らしを考える集い」には70名あまりの方が集まりました。第1部の問題提起 「改憲論 9条をどうしようとしているのか」 改憲論に見る「戦争放棄」と「安全保障」~自民党草案から~ は、おがわ町9条の会会員で自由の森学園講師の渡辺礼一さんが、現憲法と自民党草案とを比較しながら、 現憲法の「戦争放棄」を自民党案では「安全保障」とし特に9条の2・3で自衛軍を明記し任務の中で、「法律の定めるところにより・・・公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るため活動を行うことができる。」と規定している点について 「自由を守る」という名目でイラク戦争にしてもしかり、アメリカが過去様々な戦争を起こしていること、日本がアメリカと共にすぐにでも戦争できる国家になる危険性や第3章「国民の権利及び義務」の中で13条(個人の尊重等)の権利の行使について現憲法の「公共の福祉に反しない限り」に対して自民党草案の「公益及び公の秩序に反しない限り」の似て非なる意味の違い、20条信教の自由で自民党草案が「社会的儀礼又は習俗的好意の範囲を超える・・」という部分を付け加え靖国参拝を文字通り「合憲」としょうとしていること、憲法改正のハードルを低くすることや軍事裁判所の設置などを明記していることなどを指摘、問題点を整理し提起しました。 第2部の女性フォーラムでは 従軍看護婦として当時の中国北支に応召されていたた山下さんの体験談。勤めていた病院で「玉音放送」を聴き、職場の雰囲気がみるみるうちに変化していき(下働きや雑用係として働いていた中国人と関係が険悪化)先導者とともにその日のうちに逃げるように病院を立ち去っていく話などは、力で中国の人たちを抑圧していた日本と中国の関係が身近な一つの例としてよくわかりました。、 小川町3人の女性議員のお話は、 杉田議員は、身近にいた心に傷を持つ戦争体験者についての思い出や聞いた話を中心に党派を超えて憲法9条を守るという一致点で行動してい来ましょうという呼びかけ、森田議員は、戦争はなぜ起きるのか資料をもとに話をされフランクパブロフの「茶色の朝」について述べ大切なことは思考停止にならないこと疑問や違和感を大切にし勇気をもって発言し、行動することを訴えました。私は20分という限られた中で気負わず話ができたかなと思います。(私の発言全文はは最後に記載しました) 第3部はフリートーク 質問や意見もふくめ、どうしたら運動を広げていけるのかなど意見交換がされました。集会のあと懇親会を開き盛会を喜びあい今後こんなことしたいねといった話に花が咲きました。とてもいい半日が過ごせたかなと思います。 私の発言は次のとおりです 女性フォーラム原稿 ご依頼を受け今日どんなお話をしようかと悩みました。女性フォーラムという趣旨から、やはり私が女性であり母親であるという等身大の立場で、見たり聞いたり感じていることを中心にお話をすすめていくことかなと思います。 チラシやお手元にある次第で2004年8月、有明で開催され、私も参加した日本母親大会でのアグネス・チャンさんのことばをご紹介させていただきました。アグネスさんは、ユニセフ親善大使として、アジア・アフリカ・中東へ何度も足を運び、飢えと貧困、戦争で苦しむ子どもたちのために東奔西走しています。私と同世代です。「ひなげしの花」を歌っていたアイドルも今や3人の男の子のお母さんです。 彼女が、戦時下のイラクを訪ねたときの話です。「友達になったイラクの子がね、『自分の夢は安定した生活。空爆がなく、夜ゆっくり眠れて、3食食べられて、朝出かけていったお父さんが夕方無事帰ってくること。』というのよ。」これが夢。日本ではごく当たり前の子ども達の生活が、イラクの子ども達にとっては「夢」なのです。胸の痛くなる話です。 でも、考えてみれば今から60数年前は、日本も同じ状況でした。もちろん体験したわけではありませんが、当時のお話をうかがったり、本を読んだり映像を見たりしていますので想像することはできます。今日、山下さんから当時の北支で従軍看護婦として応召され経験されたお話や以前、東京大空襲のときの戦火の中を逃げ惑ったお話は東海林さんが、熊谷大空襲については富田さんがお話し下さいました。広島・長崎・沖縄でも戦争体験者のみなさんのお話を修学旅行の高校生達が聞いてきます。体験談をうかがうことで自分たちも追体験ができます。伝えていくこと。語り部は大切です。 日本が起こしたアジア・太平洋戦争は、日本の国民310万人の命を犠牲にしたと同時に、アジア・太平洋の国々の、2000万人もの人々の命をうばいました。私たちの国はあの悲惨な戦争を経て、真剣な反省と、もう二度と戦争はしないと決意し、世界に誓いました。そうした侵略戦争の反省が今の憲法の出発点です。9条は日本だけのものではなくアジアや世界の人たちに対する公約だったわけで、だからこそ戦争放棄をうたった今の憲法をアジアの人々は受け入れ戦後の友好関係が発展してきたのです。 アグネスさんのことばを続けます。「戦争を否定する日本を外国の人は尊敬しています。その日本は今、曲がり角に来ています。今年、来年、さ来年が一番大事な年になるかもしれません。ぜひこの宝、憲法9条を守ってください。それが世界の子どもたちの命を守ることにつながります。 平和を願う「母」としてのことばです。ご自身の体験に裏づけされたことばです。「戦争は何の解決にもつながらない」と言い切る信念となっていったのでしょう。 体験に裏づけられたことばといえば、高遠菜穂子さんのことばも重く受け止めました。今日、ご参加の多くの皆さんも講演をお聞きになったと思います。8月28日、おがわ町九条の会発足総会で「命に国境はない」という演題でスライドを交え現在も続くイラクの悲惨な惨状をお話くださいました。 ボロ雑巾のようになった遺体、米軍から引き渡された腐乱した肉親の遺体に取りすがり泣く人達、蛆虫が動き回り、思わず目をおおいたくなる光景でした。戦争で人が死ぬというのはこういうことなんだ。さっきまで道を歩いていた市民が無残な姿で殺されていく。紛争で犠牲になるのは9割が非戦闘員。その8割は弱い立場である女性と子どもといわれています。手や足を失った子。病院のベッドで、なすすべもなくただ、死を待つだけ。うつろな目で横たわっている子。親や肉親を目の前で殺された子ども。憎しみの連鎖は米軍が駐留し続ける限り続いて行くと思いました。 バグダッドのアブグレイブ刑務所で行われたアメリカ人兵士のイラク人捕虜虐待の写真が世界に流れました。 まだあどけなさの残る女性兵士のその行為を写した写真を見て、第二次世界大戦にナチスドイツがユダヤ人に行った虐待、虐殺の衝撃的な光景が脳裏に浮かびました。いつの時代にも人間の持つ獣性のおぞましさにおののきました。戦争は理性も豊かな感情も人間性そのものを破壊します。 高遠さんがイラクでやっていたことは病院を回り医薬品の不足しているものや必要な品物を確認し報告することでした。「カメラマンやジャーナリストの中で護衛のため銃を持ち、ガイドをつれていた人達が何人も殺された。自分がなぜ生きながらえてきたのか、それは丸腰だったから。戦場では国家などの概念はない。殺るか殺られるかだ。たとえ護衛のためでも武器を持つということは相手をいつでも撃つことが出来るということ。そこには信頼関係はない。私がイラクでやってきたことは、9条を守るという受動的なことではない。私は9条を実践しているのだ」という言葉は重みがありました。 会場で「イラク”命の水”支援」のカンパが集められていました。その後の報道で、講演のたびに集められたカンパが約570万円となり、井戸を二つ掘ったということを知りました。一つで500世帯分。1000世帯が安全な水を飲むことができるようになったそうです。高遠さんは今も国外から支援活動を続けています。武装集団に捕らわれたとき、政権党などから「自己責任」ということばを投げつけられ、まるで犯罪者であるかのように非難された高遠さんたちでしたが、NGOを中心とした、彼女たち市民の地道な活動は、「日本」の国際貢献の担い手となっています。 日本の歴代内閣はアメリカに追随し、唯一の被爆国であり平和憲法を持つ国としてその責任と役割を十分に果たしてきたとはいえません。それでも憲法9条があったからこそ「日本は絶対に戦争に参加しない国であると世界の国々はその権威を認めていました。この間の9条の会の学習会の中で私たちはこの事実を改めて学習することができました。 国連の場での国際貢献の一部をご紹介します。国連についての記述は松竹伸幸さんのホームページの中の資料集を参考にさせていただいております。 1992年、国連の「軍備の透明性の決議」に日本政府の貢献がありました。湾岸戦争後、イラクの軍事大国化を防ぐため、少なくとも輸出入を透明化しよう、国連に報告する制度をつくろうという動きが生まれたのですが、世界の大国は、ほとんど武器をイラクに輸出していて提案する資格がありません。日本は、憲法9条のもとで、武器の輸出を禁止する「武器輸出三原則」を堅持しており、イラクはもとより世界のどの国にも武器を輸出していませんでした。その結果、日本は、国連のこの制度をつくるうえで、大きく貢献できることになったということです。 2003年には、自動小銃やライフルなどの小型武器を規制する会議でも日本が議長国となり報告書をまとめています。 豊かな経済力を持つ国として「武器輸出3原則」「非核3原則」を国是とする日本は、世界の戦争を防止するため、世界の平和の前進のために核兵器の使用禁止と完全実施のイニシアチブを取れる資格をもっています。まさしく名誉ある地位をしめることができるその日本が、なぜ今憲法を変えようとしているのでしょうか。 アメリカが世界でおこす戦争に日本を協力させるためにどうしても邪魔になるのが今の憲法の「戦力の保持の禁止」「交戦権を認めない」9条2項です。そこを変えない限り、アメリカと一緒に海外での武力行使ができないからです。アメリカの圧力であることは間違いありません。武器をつくることを可能にし、もうけたいという財界の圧力もあります。 そもそも第2次世界大戦以後アメリカの巻き起こす戦争に大義のある戦争があったのでしょうか。「世界」を自分の支配下におくための戦争であり、武器を売る「死の商人」をもうけさせ、利権を獲得するためのものではなかったでしょうか。そのために常に一定のサイクルで戦争が起きる(起こす)必要があったわけです。このイラク戦争もそんな胡散臭い戦争の一つだったと思います。 「テロとの闘い」「ならず者の国家があるから」というのを口実に「先制攻撃もやる」と公言しているアメリカに日本は改憲を迫られています。 憲法9条を変えるといっても、自衛隊はもともとあったわけで、書き加えるだけだし、今すぐ戦争が始まるわけでもない。私たちの生活に影響はないんじゃないのという方もいます。でも自衛隊はどのような形であれ現に存在しているわけですから、本当に自衛隊を認めるだけが目的なら、憲法を変える必要はないのです。 日本が非武装だったら侵略されるという人もいますが、今現在9条のもとで規制されているとはいえ、日本はどこの国からの侵略にも十分すぎる強大な軍事力をもっています。軍事力の競争は際限がありません。巨大な軍事力を誇ってももろいものであるということは、9・11同時爆発テロが証明しています。 現在、日本にある米軍基地は、米軍専用が88、自衛隊との共同使用が47、合計で135あります。2兆円とも言われる莫大な費用をかけて現在再編計画が進んでいます。再編計画を実施しなければ、三位一体改革で削られた福祉や教育予算がどれだけ復活できるでしょうか。 神奈川県座間市にあるキャンプ座間にはアメリカ陸軍の新しい司令部を移設すると共に陸上自衛隊の新たな戦闘司令部を設置するということです。 自衛隊がアメリカ軍と一緒にどんどん先制攻撃のために海外に出かけていける用意です。座間市の市長さんは基地の強化・永久化につながるとして「ミサイルを撃ち込まれても絶対に阻止する」と述べています。基地のある自治体の多くの首長が、住民の安全は譲れないと発言し住民と共に行動を起こしています。 皆さん飛行機で旅行をなさった方も多いと思いますが、羽田空港を飛び立って西に向かう飛行機は、米軍の管制を受けなければなりません。沖縄から本土に向かうときルートにより離陸してすぐ一定の低空飛行を行います。米軍の官制を受けるからです。 外国の軍隊に管制業務をおこなわせている国など、世界のどこを見渡しても存在しません。日米安保条約の名のもとに在日米軍の基地の強化・永久化の行き着く先は集団的自衛権の行使ができるようになること。9条の歯止めをなくすことです。その歯止めがなくなったら名実共に日本はアメリカの属国になってしまうという危機感を持ちます。 すぐにではないでしょうが、軍隊を持つということは、徴兵制に道を開くということです。 昨年のクリスマスの日に夫とともに暮れなずむ九段坂を登って靖国神社「游就館」にいってきました。わざわざいったわけではなく演劇を見にいった帰りなのですが。新聞などで取り上げられていたので見ておきたいと思いました。 游就館がりっぱな建物であることにまず驚きました。中の陳列品は戦争を鼓舞するものであり、靖国神社は間違いなく日本軍国主義の象徴であると思いました。 太平洋戦争を大東亜戦争といい、避けられぬ戦いだったとしています。その原因はアメリカにあり、盧溝橋の小さな事件が日中戦争に発展したのは日中和平を拒否する中国側の意志があったとしています。そこには「2度と戦争をくりかえさない」という侵略戦争の反省は見受けられませんでした。 その地に小泉首相がどういいつくろうと公式参拝するわけで中国や韓国の反発は必至なのだろうと実感しました。こうした態度は外交問題に発展し、日本はアジア外交に対して手づまり状態が続いています。 世界の流れはどうでしょうか。 2000年5月、ニューヨークの国連本部で開かれたNGO(非政府組織)のミレニアム・フォーラムには世界約100カ国から1000以上のNGOが参加し、日本の憲法9条に規定されている戦争放棄原則をすべての国々が自国の憲法のなかに採用するという提案……」という報告がされました。 昨年の7月、国連本部で118カ国のNGO(非政府組織)の諸団体が参加して行われたジーパック(武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップの略ですが)の国際会議が採択した「世界行動宣言」には「世界には、規範的・法的制約が、地域の安定を促進し、信頼を増進させるための重要な役割を果たしている地域がある。日本国憲法9条はアジア太平洋地域全体の集団的安全保障の土台となってきた」と高く評価しています。 国連憲章にもとづく平和の国際秩序を目指す地球的規模での波があります。東アジアでもヨーロッパでもラテンアメリカでもアメリカを中心とする軍事同盟の体制の多くが解体されたり、機能不全、弱体化し、それに変わって仮想敵国を持たない平和の地域共同体が広がるという、世界の大きな変化があります。世界が日本国憲法の理想に近づいているわけで、まさしく「憲法9条いまこそ旬」です。日本とアメリカはその流れに逆行しようとしています。 平和を求める気持ちに男性も女性もありません。でも、私は初めてわが子を胸に抱いたとき、この子を守るためなら自分の命と引き換えてもいいと思いました。女性は命を生み出す性であることを実感しました。戦争は人殺しです。殺す側にも殺される側にもなってほしくないと強く思っています。 その子どもたちも高校、大学、社会人へと成長しました。今日本の高校進学率は98%に達しています。このような国は世界中探しても少ないでしょう。憲法そして教育基本法にある「教育の機会均等」「男女平等」が見事に根付いた結果でしょう。 改憲の動きがあってあらためて今まであることが当たり前、空気のように思っていた日本国憲法を読み直しています。どこをどう変える必要があるのか。全く必要のないことです。 会場にお見えになっている方たちは、憲法9条を変えたくないという強い意識を持って集まっていらっしゃる方が大半ではないかと思います。でも国民の過半数ではありません。「弱い人が排除されるそんな世の中でいいの」そんなところから一致点を見出して幅広い人たちに運動を広げていく。それぞれが自分の思いを語ること。国民の過半数を取るということは、そんな地道な運動が必要なのだと思います。 9条を大切にしたいと考える人たちが9条Tシャツを作って町を歩いたり、コンサートを開いたりCDをつくったり、本を作ったり、バッチを作ったり、創意工夫を凝らした運動が展開されています。先日は富田さんから憲法前文や9条、教育基本法を写経してリレーで手渡していくユニークな運動をうかがいました。ホームページやブログなどインターネットの世界でも9条を守り広げようという試みが始まっています。私も参加していますが、高校生ぐらいの若い方から年配の方まで9条に対する思いを書き綴り、日に日に賛同者が増えています。さまざまな地域・分野で「9条の会」が発足しその数は4000を超えたということです。 憲法9条の大切さを訴える仕事は「種をまくようなことだ」と「9条の会」の呼びかけ人のお一人である鶴見俊輔さんがおっしゃったそうです。あちらこちらで9条の種をまくような運動をみなさんとこれからもやっていきたいと思います。 by y_taeko | 2006-01-16 13:12 | 平和と憲法
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